独立系FPがETFについてわかりやすく解説! 投資信託との違いとメリット・デメリットも紹介

投資信託とよく似ている商品に「ETF」があります。しかし、投資信託とETFは互いに性質が異なり、どちらの投資法が自身に合うか慎重に見極める必要があります。

この記事では、ETFと投資信託の違いとメリット・デメリットについてみていきます。
ETFに向いている人の特徴も解説するので、この記事を読めば自身がどちらの商品を選択すべきか判断できるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

目次

ETFとは?

Flat lay of business concept


ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語に訳すと「上場投資信託」といいます。

特徴は、インデックス型と呼ばれる日経平均株価(日経225)や、NYダウなどの株価指数に連動するように運用されている投資信託のことです。

ここまで聞いて「ただの投資信託では?」思う人も多いかもしれません。

次にETFと投資信託との違いについて解説します。

投資信託との違い

投資信託と主に違う点は以下の3つです。

  1. 上場しているか上場していないか
  2. 信託報酬
  3. 買い付け額
ETF投資信託
上場・非上場上場非上場
取引可能時間証券取引所の取引時間原則いつでも購入可能
手数料低い
信託報酬低い
価格変動リアルタイム1日1回
購入場所証券会社販売会社・証券会社・銀行など
ETFと投資信託の違い

上場しているかどうか

ETFは投資信託ですが、「株式市場」で売買される商品です

そのため、「ETF」は株式と同様に証券会社を通じて、成行注文や指値注文で買い付けを行います。商品の価格はリアルタイムに変動し、株式市場が開いてる時間であれば自身の好きなタイミングで買い付け可能です。

一方の投資信託は証券会社・銀行・金融機関の窓口で購入します。
価格変動は1日1回。正式に売買成立(約定)した時点での価格が取引価格になります。

信託報酬の費用

「信託報酬」とは簡単にいうと、保有している商品の「管理費用」です。

この信託報酬はETFのほうが比較的安い傾向にあります。

信託報酬は毎年発生するものなので、長期で運用すればするほどこのコストが最終利益に影響を与えることになります。

買い付け額

ETFの場合は株式と同様に「商品価格」×「売買単位」が買い付け額になります。

売買単位は最低1単位からです。

例えば「iシェアーズ・コア 日経225ETF」の最低売買単位の場合、2024年4月現在の価格は約39,512円です。こちらの商品は1口から購入できるため、39,512円で保有できます。

一方の投資信託の場合ですと、証券会社によりますが最低100円から投資信託を買付できます。

ETFのメリット

ETFのメリットは主に次の3つです。

  1. 1つの銘柄だけで分散投資ができる
  2. 投資信託より信託報酬が安い
  3. リアルタイムで売買できる

1.1つの銘柄だけで分散投資ができる

ETFは投資信託のため、1つの銘柄のみで分散投資したことになります。投資信託はファンドマネージャーが複数の株式などを買付けてパッケージされた商品です。

「iシェアーズ・コア 日経225ETF」を例にみていきましょう。

この商品は日経平均株価に連動することが特徴です。

日経平均株価とは
日本の代表的な企業「225銘柄」を選定し、その株価をもとに算出する指数のことです。

つまりこの1銘柄を買うだけで、225銘柄に分散投資したことになります。

2.投資信託より信託報酬が安い

ETFは投資信託よりも信託報酬が安い傾向にあります。

ETFと投資信託の信託報酬を比較してみましょう

ETF 「iシェアーズ・コア 日経225ETF」の信託報酬 0.0450%

投資信託 「日経225ノーロードオープン」の信託報酬 0.55%

同じ日経平均に連動している商品ですが、ETFのほうが信託報酬は安くなっています。

一見すると「この程度の差は大したことない」と感じる人も多いかと思いますが、運用資金が多くなるほど違いはっきり見えてきます。仮に資産3,000万円で運用している場合に信託報酬がどうなるかみてみましょう。

仮に「資産3,000万円」で運用している場合で費用を比較

ETF 「iシェアーズ・コア 日経225ETF」の信託報酬 34,650円

投資信託 「日経225ノーロードオープン」の信託報酬 165,000円

年間で100,000円以上の差が出てきます。

信託報酬の差を実感していただけるのでないでしょうか。これが10年20年と長期で続いていくと最終利益に大きな差が生じることが理解できると思います。

3.リアルタイムで売買できる

ETFは株式市場で取引されるため、リアルタイムでの売買が可能です。

株価は取引時間内で流動的に動いているため、その日のなかで割安と感じたタイミングで買い付けられますし、買い付けて含み益がでればすぐに売却することもできます。

ETFのデメリット

一方のETFのデメリットは主に次の3つです。

1.投資信託より買い付け額が高い

ETFは、投資信託より買い付け額が高くなりがちです。

ネット証券から投資信託を買い付ける場合の多くは100円から買い付けできます。しかし、ETFの場合はほとんどの商品が数千円~数万円の買い付けになるでしょう。投資信託を利用して100円から取引をしている人からするとETFの買付額は少し高く感じてしまうかもしれません。

2.分配金の自動再投資ができない

投資信託の場合は、投資設定をすれば後は勝手に分配金が再投資されます。

一方のETFの場合は、分配金に対して再投資設定ができず、受け取った分配金は自身で再投資する必要があります。投資に時間をかけられない人からすると、再投資できないことに対して面倒と感じてしまうかもしれません。

3.積立設定ができない

ETFは積立設定ができないデメリットもあります。
一部の証券会社では「株式累積投資」といわれる積立て設定がありますが、基本的にETFで積立て投資はできず、その都度商品を購入する必要があります。

どういった人がETFに向いているか

ETFに向いている人

  • リアルタイムで売買したい人
  • コストを抑えたい人

以下で詳しくみていきましょう。

「リアルタイムで売買したい人」

リアルタイムで売買し、短期的な売却益も狙いたい人はETFに向いています。
ETFはその日の割安な価格で購入することができ、もしその日のうちに株価が高騰した場合には、売却することで売却益を得られるでしょう。

「コストを抑えたい人」

前述のとおり、ETFや投資信託は信託報酬が発生するため、資産が増えれば増えるほど、コスト負担(信託報酬)が重くのしかかります。ETFは投資信託に比べると信託報酬が低く設定されているため、少しでもコストを抑えたい人に向いているでしょう。

おわりに

ETFは投資信託とは異なり、

「売却益を狙える」「投資信託よりコストを抑えれる」などのメリットがある反面、

「再投資設定ができない」「積立てができない」などのデメリットもあります。

投資経験がある程度あり、ETFのデメリットが気にならない方はETFで運用することをおすすめします。

また、ETFも投資商品になりますので元本の保証はされていません。元本割れしても、すべて自己責任です。

もし、投資の知識について不安がある場合は一度FPに相談し、必要な知識を身につけるようにしましょう。神戸で独立系FPをお探しの方は「NEWSTYLE神戸FP相談」でも相談が可能です。

「NEWSTYLE神戸FP相談」では完全中立で金融商品をいっさい販売しない独立系FPが相談者様の利益を優先して対応致します。

オンラインでも対応可能なため、神戸以外の方からのご相談もお待ちしております。

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この記事を書いた人

ツヨシのアバター ツヨシ ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職。
在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。
会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立系FPとして起業。
現在は相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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