近年、独立系FPの認知度が上がってきており、利用する人も少しずつですが増加傾向にあります。しかし、実際に独立系FPにどのような相談をすればよいか分からない人も多いのではないでしょうか?
独立系FPには、お金に関することであればあらゆる内容の相談が可能です。しかし、これから解説する業務に関しては相談できないことになっています。
この記事では、独立系FPに相談できないことについて解説します。また、相談できる内容に制限があるにも関わらず、なぜ独立系FPに相談する必要があるのかも説明するため、独立系FPの存在について詳しく知りたい人の参考になるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
そもそも独立系FPとは?
まずは簡単にですが、独立系FPについて説明します。
「独立系FP」とは、どこの企業にも属しておらず、個人で独立開業しているFPのことです。そのため、企業からの営業目標やノルマなどはなく、相談者の利益を優先したプランを提案できます。
また、独立系FPは相談するにあたって相談料が発生することも特徴の1つです。「企業系FP」は保険相談などを無料で提供することが一般的ですが、独立系FPに相談する場合は1時間あたり〇〇円といった形で相談料を支払うことが多いです。
独立系FPに相談するメリットや、企業系FPとの違いについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
独立系FPに相談できること
独立系FPへの相談は、お金に関する内容であれば基本的にはどのような相談にも対応可能です。独立系FPへの相談が多い分野は主に次のとおりです。
少し古いデータですが、2015年に日本FP協会が公表した「FP顧客満足度調査 結果報告書」の資料によると、一番多い相談内容は「生活設計全般(ライフプランニング)」で55.6%、2番目が「金融資産運用設計(投資などに関するアドバイス)」で53.8%になります。
出典:日本FP協会
また、日本では街中に保険の相談サービスが多く存在してることもあり、「リスク管理(保険の加入・見直し)」についての相談も30.8%と高いことが分かります。
独立系FPに相談できないこと
独立系FPへの相談は、お金に関するほぼ全ての内容に対応していることが理解できたと思います。しかし、以下で紹介する業務に関しては相談できないことになっています。
なお、今回の独立系FPに相談できない内容として、対応するFPが他の専門資格を有しておらず、販売許可などももっていないという前提に基づいています。
法律相談
独立系FPは法律相談や法的な手続きなどの代行業務を請け負うことはできません。これらの相談については、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談する必要があるでしょう。
具体的には次のような内容になります。
・遺言書の作成
・離婚に際しての財産分与や慰謝料の相談
・不動産登記に関する業務
税理士業務
税理士資格の持たない独立系FPが税理士の業務を行ってはいけないことになっています。
税理士が行う業務は主に次の3つです。
・税務書類の作成
・税務相談
・税務代行行為
たとえば、確定申告や法人の税務申告、または複雑な税金計算に関する相談などは、税理士による専門的な業務です。独立系FPがこれらの業務に携わることは法律によって禁止されており、適切な資格を持つ税理士に相談する必要があります。
投資助言・代理業
独立系FPは「投資助言」や「代理業」の業務を行うことはできません。これらの業務に携わる場合は、内閣総理大臣の登録を受ける必要があるからです。
「投資助言」とは、株式などにおいて個別銘柄の提案や売買のタイミングなどをアドバイスすることです。
たとえば、資産運用について知りたい相談者に対して、特定の銘柄を勧めたり、具体的な売買の指示を出したりする行為がこれにあたります。
一方の「代理業」とは相談者に代わって株式などの売買取引をしたり、仲介をしたりする行為のことです。
出典:一般社団法人 日本投資顧問業協会 投資運用業および投資助言・代理業入門
独立系FPに資産運用などの相談をした場合は、対応できる範囲は「投資についての基本的な考え方」や「NISAやiDeCoなどの制度解説」といった一般的な情報提供に留まります。
もし、具体的な銘柄のアドバイスを受けたい場合は、証券会社などの登録を受けている金融機関に相談する必要があります。
保険の募集や販売
保険の募集や販売においても内閣総理大臣による「生命保険募集人」の登録を受けなければ活動できません。保険会社などに属しているFPの多くは登録を受けているため、保険の募集や販売が可能です。
しかし、独立系FPは特定の保険会社に所属していないケースも多く、生命保険募集人の登録を受けていないことが一般的です。そのため、相談するFPが登録を受けていない場合は、最終的な保険の契約は保険会社や登録を持つ保険募集人を通じて行う必要があります。
公的年金の具体的な計算や手続き
公的年金についての専門的な知識をもっている独立系FPは多いですが、年金受給額の具体的な計算や年金手続きの代行はできません。
これらの業務は社会保険労務士や年金事務所に依頼する必要があります。独立系FPに年金などの相談をした場合は、年金制度の仕組みについての説明や、年金受給額を一般的な事例に置き換えて説明する程度になります。
独立系FPに相談する意味はある?
ここまで読んで、独立系FPは肝心な部分の相談や業務ができないことが意外とあることが分かります。読者の中には肝心な部分を相談できないのであれば「独立系FPに相談する意味はあるの?」と感じる人も多いでしょう。
結論から言うと、それでも独立系FPに相談する価値は高いです。それは、独立系FPは以下のような役割を担っているからです。
総合的なお金の情報提供ができる
お金に関する相談は法律相談や投資助言、保険に関する業務だけではないですよね。その他にも「家計の見直し」や「ライフプランニング」「相続に関する相談」などさまざまです。これらの相談に対応するだけでも家計における経済的効果は大きいものになります。
たとえば、家計の見直しを実施することで毎月の無駄な支出を減らすことが可能です。また、ライフプランニングを通して長期的な貯蓄や運用計画を立てることで、必要な時に必要な資金を確保しやすくなります。
独立系FPは、その他にもお金に関する知識を幅広く持ち合わせているプロの集団です。また、どこの組織にも属していないため、相談者の利益を優先した提案が期待できるでしょう。
セカンドオピニオンとしての役割
意外と知られていないのが、独立系FPはセカンドオピニオンとしての価値が高いことです。
たとえば、すでに金融機関から提案を受けている場合、独立系FPにそのプランを見直してもらうことで、より良い提案や見逃していたリスクを指摘してもらうことが可能です。
保険や投資商品などについて、一般の人が内容をきちんと理解することは難しいでしょう。そのため、担当者の言われるがままに商品の提案をされることも少なくありません。独立系FPであれば、提案された商品が本当に相談者にとって必要なものなのか、またはより良い選択肢があるかを第三者の視点から評価し、アドバイスしてもらえます。
必要に応じた各士業とのマッチング
独立系FPは、確かに直接行えない専門的な業務はありますが、その弱点を補うため、多くの独立系FPは法律や税務などの分野で活動する士業専門家たちと提携しています。
相談内容がより専門的な分野になれば、必要に応じて税理士や弁護士、社会保険労務士といった士業専門家に繋いでくれるでしょう。独立系FPは各士業とのマッチング的な機能を果たす存在でもあるのです。
たとえば、会社員の方が税金について独立系FPに相談したとします。相談した結果、その会社員の方は不動産を売却したことによる「売却益」や、生命保険の解約による「解約返戻金」を受け取っていたため、確定申告が必要になる可能性がありました。
その際に、税理士との提携関係ができている独立系FPであれば、信頼できる税理士を紹介してもらえるでしょう。
独立系FPに相談してみよう!
「独立系FP」とは、どこの企業にも属しておらず、個人で独立開業しているFPのことです。独立系FPに相談できることは、お金に関する内容であれば基本的には全ての相談に対応できます。ただし、以下のような内容については各士業専門家に依頼する必要があるでしょう。
・法律相談
・税理士業務
・投資助言・代理業務
なお、独立系FPはこれらの弱点を補うために各士業と提携関係を結んでいることが多いです。そのため、相談内容がより専門的な分野になれば、必要に応じて専門家を紹介してもらえるでしょう。
その他にも独立系FPはセカンドオピニオンとしての役割も担っているため、相談したFPに対して不満を感じているようであれば、この機会に独立系FPに相談してみてはいかがでしょうか。
神戸で独立系FPをお探しの方は「NEWSTYLE神戸FP相談」でも相談が可能です。
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