覚えておくべき!傷病手当とは?

みなさんが普段給料から天引きされている健康保険料。

この健康保険に傷病手当という制度があることをご存知ですか?

前回解説した高額療養費制度と同じく、みなさんに知っておいて欲しい制度です。

この傷病手当を理解した上で医療保険やガン保険を見直していただきたいと思います。

目次

「傷病手当とは」


傷病手当金とは、

病気やケガで休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度。

病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

「支給要件」

4日目以降から支給される


被保険者が病気やけがのために働くことができず、
会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、
4日目以降、休んだ日に対して支給されます。

休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、
傷病手当金は支給されません。

例えばケガが原因で会社を休まざる負えなくなった場合はどうなるのか?

1月1日、2日、3日と連続して休み、1月4日から傷病手当の支給対象になります。
その期間会社から報酬を受けた場合はその差額分のみ支給です。
基本的には1年以上会社員で働いている方は健康保険に入っているので、傷病手当制度の対象になります。

会社の休日もカウントされる


待期期間や支給日数は会社の休日(土日祝日)もカウントされます。

例えば金曜日にケガをし、土曜日、日曜日が経過し、月曜日に会社を休んだ場合、4日目の火曜日から傷病手当の支給が開始されます。

例えば、
1月1日から1月31日まで休んだ場合なら、31日-3日(待期期間)=28日分の傷病手当が支給されます。

「支給される期間」


傷病手当金が支給される期間は支給を開始した日から通算して最長1年6ヵ月支給されます。

支給される期間は令和1月1日より通算化されました。

治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう、「全世代対応型の社会保

障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により

健康保険法等が改正されました。

この改正により令和4年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されます。

厚労省より引用

「いくら支給されるか」


肝心な支給額
1日あたりの支給額を計算します。

支給開始日以前の12ヵ月の各月の標準報酬月額を合算した平均額÷30日×2/3



この説明では難しいので、簡単な式にすると、

税引き前給料額÷30日×2/3


1日の支給額が出ます。

傷病手当の総支給額シュミレーション

  • Aさん30歳
  • 会社員
  • 年収500万円
  • 12ヵ月以上の報酬月額あり
  • 足の骨折で1ヵ月入院(1月1日~1月31日)
  • 標準報酬月額の平均35万円

1日の支給額

総支給額は約217,560円の支給になります。

35万円÷30日×2/3=約7,770円
7,770円×(31日-3日)=217,560円


「医療保険、ガン保険の見直し」


この支給額を踏まえた上で、医療保険やガン保険を一度見直して欲しいと思います。

まず先ほどのシュミレーションのAさん、月支給額217,560円で生活可能であれば、問題ありません。

あとは医療費がかかります。

前回の高額療養費制度で説明しましたが、年収500万円ですので、月に10万円も負担することはありません。

つまり、10万円以上の貯蓄額があれば対応可能。

このように傷病手当、高額療養費制度を利用すれば過度な保険は不要になります。

今の医療は目まぐるしく進歩しており、がんに至っては入院での治療が主流でしたが、2005年あたりから通院が上回っていて、入院日数も約半分まで減少しています。

「大事なこと」


大事なことは、常日頃から生活水準の見直しを図り、傷病手当の額でも乗り切れるようにしておくこと。

急な医療費に対応できるために貯蓄をしっかりすることです。

傷病手当の支給額で生活できる人。そして急な医療費に対応するだけの貯蓄がある人は医療保険や、ガン保険に入る必要がないことになります。

保険でリスクに対応するのでは無く、貯蓄でリスクに対応できる状態に近づいていきましょう!

もし今まで支払っていた保険料を貯蓄に回せれば、さらに資産の増加速度が上がっていきます。

そしてどんどん資産を増やしていければ、最終的には火災保険、自動車保険、生命保険くらいの保険料で済むようになります。

まとめ

傷病手当金とは?

病気やケガで休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度。

会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

支給要件について


被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。

支給される期間について

傷病手当金が支給される期間は、

支給を開始した日から通算して最長1年6ヵ月支給されます。

いくら支給されるか?


簡単な式で表すと、1日の支給額は、

税引き前給料額÷30日×2/3

医療保険、ガン保険の見直し


現在のがん治療はすすんでいて、例えば入院日数も短くなったデータが出ていたり、

入院が当たり前ではなく、通院での治療をする人も増えています。

傷病手当を踏まえた上で、医療保険やガン保険を一度見直しましょう。

傷病手当、高額療養費制度を利用すれば過度な保険は不要になります。

大事なこと


大事なことは、常日頃から生活水準の見直しを図り、傷病手当の額でも乗り切れるようにしておくこと。

急な医療費に対応できるために貯蓄をしっかりすることです。

保険でリスクに対応するのでは無く、貯蓄でリスクに対応できる状態に近づいていきましょう!

今回は以上になります。
社会保険について他にも役に立つ制度がありますので、またの機会に解説していきます!

もしお金のことについてご相談してみたい方は、ココナラにて相談業務を行っています。

興味のある方は一度チェックしてみてください。

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この記事を書いた人

ツヨシのアバター ツヨシ ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職。
在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。
会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立系FPとして起業。
現在は相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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