近年、「iDeCo」と言う言葉を耳にしたことがある人も多いと思います。
証券会社や銀行、保険会社など多くの金融機関で「iDeCo」を勧めてきますよね!
しかし、まだまだ「iDeCo」のことをあまり理解できていない人も多いはずです。
この記事では「iDeCo」の基本的な概要にiDeCoを利用するメリット・デメリットを解説します。
また、「iDeCo」に向いている人の特徴やおすすめの証券会社も紹介するので、これからiDeCoで老後資金の準備を進めていこうと検討している人に役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
iDeCoとは
iDeCo(確定拠出型年金)とは、掛金を自分自身で運用しながら積み立てていき、原則60歳以降に受け取る「私的年金」のことです。
保険会社などが扱っている「個人年金保険」と勘違いされがちですが、「iDeCo」は私的年金であり、「個人年金保険」は生命保険となり、全くの別物です。
いくらから運用できる?
iDeCoの掛金は毎月5,000円から、1,000円単位で選択することが可能です。
掛金の上限は、職業や企業型確定拠出型年金の加入状況によって変わります。
職業の種類 | 上限(月) |
公務員 | 12,000円 |
会社員(企業年金あり) | 12,000円or20,000円 |
会社員(企業年金なし) | 23,000円 |
専業主婦 | 23,000円 |
自営業 | 68,000円※ |
※自営業者は国民年金基金や付加保険料と合わせて6万8000円が限度となります。
運用できる商品
iDeCoで運用できる商品は、「投資信託」や「定期預金」などです。投資信託に関しては、NISA(つみたて投資枠)と同様に、取り扱っている商品が厳選されているため、投資初心者でも比較的安心な商品選びが可能です。
また、金融機関によって取り扱っている金融商品(定期預金や保険、投資信託)や口座管理手数料が異なるため、どこの証券会社を選ぶかが非常に重要になってきます。後述で解説する「オススメの証券会社」をしっかり確認してください。
iDeCoのメリットは4つ!
iDeCoは掛金が全て所得控除になり、節税効果が非常に高い特徴があります。
会社員の方は年末になると、会社から年末調整の書類を書かされると思います。
iDeCoの掛金をこの年末調整に記載することで、支払った税金の一部が還付されます。
通常、金融商品を運用すると、運用益に課税(約20%)されます。
「iDeCo」では運用期間中に得た運用益は非課税で再投資されます。
iDeCoは掛金を受け取るときに「退職所得控除」または「公的年金控除」を利用できます。一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金控除」が適用されます。
iDeCoは投資で安定したリターン狙う上で重要な4つの原則を簡単に実践することが可能です。具体的には次のような流れになります。
・毎月一定額を積み立てる(積立投資)
・運用期間は原則60歳まで(長期運用)
・最低掛金は5000円からで、投資信託に投資できる(分散投資)
・運用中に得た利益は自動で再投資される(複利運用)
このようにiDeCoで運用することで「4つの原則」が自動的にできる仕組みになっています!
60歳をこえたら~受け取り方は?
iDeCoの受け取り方には、3種類の方法があります。
- 一括で受け取る
- 分割に受け取る
- 一部を一括で、一部を分割で受け取る
iDeCoの掛金を一括で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます
退職所得控除の計算式
- 勤続年数20年以下の人なら、40万円×勤続年数
- 勤続年数20年以上の人なら、800万円+70万円×(勤続年数-20年)
※勤続年数とiDeCoの加入年数を比較して、長いほうで計算する。以下の条件で具体的な控除額を計算してみましょう。
- 勤続年数30年
- 退職金800万円
- iDeCo年数19年
- 受け取り金額700万円
800万円+70万円×(30年-20年)=1500万円 これが控除額
800万円(退職金)+700万円(iDeCo)-1500万円=0円
よってiDeCoのに対する税金はかかりません。
iDeCoの掛金を年金形式で受け取る場合は公的年金等の雑所得になり「公的年金控除」が適用されます。
つまり、分割で受け取った収入は基礎年金や厚生年金と合算し、
それに公的年金控除を差し引いて税額を計算します。
公的年金等の雑所得の計算式
公的年金等の雑所得=収入金額-公的年金等控除額
計算が長くなるので、
詳しい計算は国税庁ホームページ No.1600 公的年金等の課税関係でご確認ください。
このケースですと、一括部分は退職所得控除、分割分割は公的年金等控除額の適用になります。
iDeCoのデメリットは3つ!
iDeCoのデメリットは主に次の3です。
- 原則60歳まで引き出せない
- 手数料がかかる
- 元本割れのリスクがある
60歳まで引き出せない!
iDeCoは原則60歳まで掛金を引き出すことができません。
もし不足の事態に対応するだけの現金がなければiDeCoの利用を見送ったほうがいいかもしれません。その際は、まずは貯蓄に専念しましょう。
iDeCoにこだわっておらず、現金があまり無い人は「NISA」で運用するほうが不足の事態に対応できます。
手数料がかかる!
iDeCoは加入時と運用期間中(毎月)、そして受け取り時(振り込みの都度)に費用がかかります。
節税効果が高い商品ではありますが、実は手数料という形で費用が発生しているのです。
また、運用期間中の費用は金融機関によって異なるため、安易な判断で金融機関を選ぶのは禁物です。証券会社を選ぶ際は、ネット証券などの比較的手数料が低い金融機関を選ぶことをおすすめします。
元本割れのリスクがある!
当たり前のことですが、元本は保証されていません。税金が優遇されますが、元本割れを起こす可能性があります。
したがって、投資のiDeCoを活用する際は投資に関する知識を最低限持った上で行ってください。最低でも投資の4つの原則(長期運用・分散投資・積立投資・複利運用)をきちんと理解することで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
もし、まだ知識があいまい場合は、過去に投稿した「資産運用とは?初心者が理解すべき4つの原則」を参考にし、きちんと知識を身につけてください。
iDeCoに向いている人
収入が多い人
iDeCoの最大のメリットは節税効果。
収入が多い人はその分税金を多く払います。
税金を多く払っている人の方が節税効果は期待できます。
逆に低収入の人は、そもそも税金をあまり払っていないので、節税効果はあまり期待できません。
貯蓄がある人
貯蓄のある人は、iDeCoの最大のデメリットである「原則60歳まで引き出せない」にも対応できます。
急な出費に対応できる貯蓄があり、60歳まで引き出す必要が無い人は、iDeCoを利用し最大限の節税効果を得ましょう。
あまり投資に時間を掛けたくない人
年収が高く、貯蓄もそれなりにある。
でも投資とか面倒。投資に費やす時間を掛けたくない。
そのような人も「iDeCo」が最適です。
最初の運用商品だけアドバイスをもらいながら選ぶ。
そして毎月いくら積み立てるかを設定すれば、あとは勝手に60歳まで運用が開始されます。
しかも、自動的に4つの原則(積立て投資、長期運用、分散投資、複利運用)ができてきます。
オススメの証券会社
楽天証券・SBI証券
この2トップを抑えておけば全く不便なこともなく取り引き可能です。
両者とも大手ネット証券で「手数料」「取扱銘柄」など、どれをとっても業界最高水準になります。
- 100円からつみたてNISAができる
- NISA、iDeCoともに豊富な品揃え
- 日経新聞が無料で読める
- 100円からつみたてNISAができる
- NISAでは取り扱い商品数No.1
- iDeCoでは業界トップ水準の豊富な品揃え
iDeCoは、加入時、運用期間中(毎月)、そして受け取り時(振り込みの都度)に費用がかかります。
長期で運用を進めて行く上で、手数料を低く抑えることは非常に重要なことです。
この2社は手数料が安い点でも優秀です。
iDeCo以外の「NISA」「つみたてNISA」「株式投資」などをする際にもオススメの証券会社になりますので、両方の口座を開設しておきましょう!
まとめ
iDeCoとは?
iDeCo(個人型確定拠出型年金)は掛金を自分自身で運用しながら積み立て、
原則60歳以降に受け取る私的年金になります。
運用できる商品
運用できる商品は、「投資信託」や「定期預金」などを自身で選択します。
扱っている商品が厳選され、比較的安心な商品選びが可能。
iDeCoは原則60歳以降でないと受け取ることができない点に注意が必要です。
- 節税できる
- 運用益が非課税
- 受け取るときも税負担が軽減される
- 原則60歳まで引き出せない
- 手数料がかかる
- 元本割れのリスクがある。
iDeCoに向いている人
- 収入が多い人
- 貯蓄がある人
- あまり投資に時間を掛けたくない人
オススメの証券会社2社
- 楽天証券
- SBI証券
今回は以上になります。
「iDeCo」はNISAよりも節税効果が高い商品と言えます。
ただし、その反面原則60歳まで引き出させないとう大きなデメリットもあります。
それを踏まえて、資金に余裕がある人は「iDeCo」で運用。
資金に余裕がなかったり、すぐに引き出せる資産で運用したい人は「NISA」を選択することをおすすめします。
自身の最適な運用方法が分かれば、あとは行動するだけです!