サラリーマンの定め。累進課税制度について解説します

このブログで何度か節税についてお話してきました。
ふるさと納税や、イデコ、住宅ローン控除などです。
なぜ節税が大事なのかというと、日本は累進課税制度を採用しているからです。

今回は稼げば稼ぐほど税負担が増す「累進課税制度」を解説します。

目次

累進課税制度とは?


累進課税制度とは課税所得が多くなるほど税率が高くなる課税方法。

日本ではこれらに採用されています

  • 所得税
  • 相続税
  • 贈与税

所得や相続財産などが高い人ほど多くの税金を支払うことになります。
つまり年収が上がれば上がるほど税率が増えて、多くの税金を納める必要があります。

なぜ累進課税が採用されているのか?

税金を納める
「所得の再分配」

累進課税によって納付された税金は、
所得や資産が少ない方、障害がある方の生活を援助するために用いられます。
つまり所得格差の緩和という役割もあります。

所得の再分配

課税所得別による所得税率

「課税所得金額」とは?
年収に経費や控除などを差し引いた後の金額になります。

下記は所得税の税率表になります。

課税所得金額税率 控除額
1,000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円10%9万7,500円
330万円~694万9,000円20%42万7,500円
695万円~899万9,000円23%63万6,000円
900万円~1,799万9,000円33%153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円40%279万6,000円
4,000万円以上45%479万6,000円
所得税の税率表

     


課税所得が695万円~899万9,000円の方は税率23%
課税所得が900万円~1,799万9,000円は税率33%と
両者を比較して分かることは、10%も差があることです。

所得税にプラスして、さらに住民税が10%の税率で引かれることになります。

年収別による税率の目安


あくまで目安ですが、
基礎控除以外に控除が無い方の税率はこのようになっています。

年収税率
年収500万円以下5%
年収500万円~600万円くらい10%
年収700万円~1000万円くらい20%
年収1100万円~1300万円くらい23%
1400万円~2000万円くらい33%
年収別の税率

年収が上がれば上がるほど税負担が重たくなる累進課税制度です。
年収が上がれば上がるほど税負担が高くなるのは理解できますが、

税率の上がり方が年収700万円くらいと1400万円くらいで大きく跳ね上がります。

この税率の違いは覚えておきたいポイントです。

コスパの良い年収


上記で年収別の税率を見てきました。

収入が上がれば税負担が上がってしまう制度なら、
低ければ低い方がいいのか?


年収300万円の場合そもそもの可処分所得が低いので、もう少し年収を上げたいところです。

一番税率の低い年収は500万円以下の5%


ここが一番コスパの良い年収のラインになると思います。

コスパの良い年収

年収500万円くらいであれば、税率5%
年収600万円くらいであれば、税率10%


夫会社員、妻パートがコスパ最強


さらに世帯年収で考えた場合、一番コスパ最強世帯収入なのは

夫会社員で年収600万円・妻はパートで年収100万円弱


この組み合わせで世帯年収が700万円弱になり、税率は10%
妻は所得税も住民税も非課税
さらに夫の扶養に入れて国民年金、健康保険などの社会保険も払わずに済みます。
世帯年収が700万円弱であればあまりお金のことを気にすることなく消費ができますし、それなりに貯蓄もできるはずです。

税率が高い場合の対策


先ほどの税率表を見てみると、少しの差で税率が跳ね上がってしまう年収部分があります。

それは、

年収600万円くらいの方と年収1400万円くらいの方です。


対策として、節税として使用される「控除」を使うことになります。
では会社員が利用できそうな控除はどれか?

以下になります。

  1. 雑損控除
  2. 医療費控除
  3. 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金)
  4. 生命保険料控除
  5. 地震保険料控除

今回は控除の詳しい紹介は割愛させていただきますが、

仮に

年収が600万円を超え、税率が20%になってしまう方は、
例えば「iDeCo」を利用して小規模企業共済等掛金控除で課税所得を下げます。
これにより課税所得が年収600万円弱になれば、
年末調整時に税率10%の再計算がなされ、払い過ぎた所得税を還付してもらえます。

まとめ

累進課税制度とは?


累進課税制度とは課税所得が多くなるほど税率が高くなる課税方法。

つまり年収が上がれば上がるほど税率が増えて、多くの税金を納める必要があります。

年収別による税率の目安


あくまで目安ですが、基礎控除以外に控除が無い方の税率は、

年収500万円以下は税率 5%
年収500万円~600万円くらいは税率 10%
年収700万円~1000万円くらいは税率 20%
年収1100万円~1300万円くらいは税率 23%
1400万円~2000万円くらいは税率33%

コスパの良い年収


年収500万円くらいであれば、税率5%
年収600万円くらいであれば、税率10%
この辺りが一番コスパの良い年収

世帯収入なら、夫会社員・妻パートがコスパ最強!


さらに世帯年収で考えた場合、一番コスパ最強なのが、
●夫会社員で年収600万円
●妻はパートで年収100万円弱
この組み合わせで世帯年収が700万円弱になり、税率は10%
妻は所得税も住民税も非課税
さらに夫の扶養に入れて国民年金、健康保険などの社会保険も払わずに済みます。

税率が高い場合の対策

対策として、節税として使用される「控除」を使うこと。

会社員が利用できそうな控除は?

  1. 雑損控除
  2. 医療費控除
  3. 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金)
  4. 生命保険料控除
  5. 地震保険料控除

今回は以上になります。
会社員は自分の年収を自分で決めれることはできませんが、
自身がどれくらい所得税や住民税を支払っているか知っておいて損はありません。


知っていれば節税対策ができます。

年収の高い人は、知らない間に多くの税金を支払っています。
少しでも税金を減らせれば、それは自身の収入になったことと同じです。

税金を払うのは国民の義務ですが、節税することは国民の権利です。

ただし勘違いしてほしくないのですが、
今回はコスパが良い年収の紹介であって、稼ぐことができるのであればいっぱい稼いでください。
そちらの方が間違いなく資産形成できます。

またファイナンシャルプランナーへのご相談を検討されている方は、
筆者はココナラでも活動していますのでご確認ください。

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ではまたよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

ツヨシのアバター ツヨシ ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職。
在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。
会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立系FPとして起業。
現在は相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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